感想戦!(人生で出会った本や音楽、そして日々の出来事)

今年(2021年)の9月に還暦を迎える事が出来ました。今までの人生で出会った本や音楽について勝手気ままに綴ってみようと思います。

Charles Robert Watts

 先月24日、Rolling StonesのオリジナルメンバーでありdrumsのCharle Wattsが亡くなった。彼の死は殆どTVでは扱われる事は無かったが、SNSやネットではMickやKeithは勿論の事、多くのミュージシャンやファンから彼の死を嘆くメッセージが発信された。


 何かと比較されるRolling StonesとBeatles、同じようなネームバリューを持ちながら
Beatlesの曲は知っておりサビを口ずさむの事の出来る人は多いと思うが、Rolling Stonesはそうはいかないだろう。キャリアの長さからもバンドの名前は知っていても、彼らの楽曲を知っている人は少ないと思う。理由の一つは、Rolling Stonesがミュージックシーンの先頭を、また時代の最先端の音を紡ぎだした事は無い。Led ZeppelinやPinkFloyd、アメリカのバンドではEagles、そしてFleetwood Macがバカ売れした時代もあった。しかし、僕の知る限りにStonesにそのような時代は無かった。唯一日本でのStonesの季節は、1990年のSTEELWHEELS ツアーの初来日チケット争奪戦位だろう。
 何故、彼らはRockのメインストリートに居ながら曲は聴かれずに知られていないのだろか? 一言で言うのならば、Rolling Stonesの作り出す音楽・サウンドは万人受けするものではない。Rockmusicはアメリカの黒人音楽ブルースも素にしており、それに憧れ真似たイギリスの少年達が発明した音楽と言える。その先駆者となる集団(バンド)がBeatlesと
Rolling Stonesと言えよう。(誤解を恐れずにいうのなら、)ブルースを原酒に例え、Beatlesはアルコールの度数は変えずに口当たりの良いカクテルにし、Rolling Stonesはひたすらに良い水を求め美味しい水割りを作る努力をし続けたと言える。それ故に、Rolling  Stonesの曲にはアルコール臭さ所謂ブルース臭が漂い、ただそれだけでは無くそこから
MickのボーカルとKeithのギターの掛け合い、そしてその二つの音をしっかりと繋ぎ合わせるCharleのdrums それらの絶妙のブレンドがあのリフ「Brown Suger」や「Start Me Up」の
高揚感を生みだしたのだろう。


Charle Wattsを見送る為の1枚のアルバムを選ぶのなら、僕は「STEEL WHEELS」を聴く。
確かに、このアルバムからはその後のStonesを代表するLiveで演奏され続ける様な楽曲は
生まれていない。しかし、80年代後半のMickとKeithの仲違いを乗り越えての作品。各楽曲とも丁寧に作られており、それと同時にStonesのラフさも充分に残っている。このアルバムの完成度の高さがあったからこそ、現在までのStonesの活動があったと言えよう。このアルバムが発売された当時(1989年)WHEELSはMickとKeithの2ピースと言われていたが、
このWHEELSの車軸こそCharle WattsでありCharleがいたからこそStonesはバラバラにならなかった。
最後にCharleはJazzが大好きで、Stonesから離れたソロではJazzmusicianとして活動していた。職業としてRolling Stonesのdrumerとしての人生を選んだのだろう。まさにプロフェショナル、「Charle Watts 彼こそRolling Stonesだ。」